【家族教室】第2回「統合失調症の薬物療法」

2015.10.31

 薬が多くの病気の治療に重要であるように、統合失調症も薬による治療は大切です。統合失調症の治療の中心となる薬を抗精神病薬といいます。抗精神病薬は、幻覚、妄想や、考えをうまくまとめることができない、気持ちをうまく表現できない、意欲がわいてこない等の症状を改善するだけでなく、再発の予防に大きな力を発揮します。

 また、抗精神病薬以外にも、症状に応じて、抗うつ薬、抗不安薬や睡眠薬など他の種類の薬が補助的に処方されることもあります。抗精神病薬の副作用を抑えるための薬が処方される場合もあります。

 症状が治まると、「病気が治った」と思い、薬を飲むのをやめようと考える人は少なくありません。しかし、統合失調症の場合も、糖尿病や高血圧のような慢性疾患と同じように、症状が治まった後にも、ある一定期間は服薬を続けた方が良いことがわかっています。抗精神病薬を続けることによって、病気の再発を防げることが多くの研究で明らかになっています。服薬をやめると、再発の可能性が高くなり、再発を繰り返すと症状が悪化し、回復しにくくなるため、きちんと薬を飲みつづけることが非常に大切になります。

 日吉病院、統合失調症家族教室の第2回目、「統合失調症の薬物療法」では、薬剤師がこれまでの患者さんとの関わりの中で学んだこと、感じたことをご家族と共有できればと考えています。また、ご家族が薬に対する知識を得て治療参加してもらうことが何よりも重要であり、第1回目と同様にグループワークの時間を設け、ご家族自身に薬物療法を体験してもらいます。薬物療法の難しさを体験してもらうことを通して、薬物療法の理解をさらに深めてもらえればと考えています。

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