さらなる協働に向けて(看護部)

2021.02.01

看護師の役割は、日常生活上の困りごとをクライアントの皆さまと共に解決することです。精神症状などによって生じているその方らしい日常生活の送りづらさに対して、入院治療を通じて、希望や大切にされていることを丁寧に共有しながらより良い生活に向けて支援していくことが役割であると考えています。

日常生活の支援は、バイオ(生理的・身体的機能状態)・サイコ(精神的・心理的状態)・ソーシャル(社会環境状態)のすべての側面に及ぶため、それらのバランスを見極めながら行うことが求められます。

  • 「医師」や「臨床心理士」と共に精神分析的精神療法の視点で病気や症状のありようを捉える
  • 「薬剤師」と共に薬理作用を共有しながら適切な薬剤選択の提案をする
  • 「精神保健福祉士」と共に利用できる制度や社会資源を共有しながら退院後の生活創造をしていく
  • 「作業療法士」と共に基本的動作・応用的動作・社会的適応の能力の維持・改善に向けた入院生活の工夫をしていく
  • 「管理栄養士」と共に栄養面から基礎疾患や嗜好に合わせた健康づくりをしていく

他職種と情報共有や役割分担をしながら看護師としての視点で支援していくことに留まらず、こういった各職種の介入や支援の特性を十分理解し、各職種による専門的な視点をも持ちながら支援していくことで、より深い対象理解や協働につながり、クライアント皆さまのWell-beingに近づけていけるのではないか思います。看護師の役割である日常生活支援は、それぞれ違ったお一人お一人に合わせていくため、多岐にわたります。それゆえクライアントの皆さまの希望や考えに基づき、看護師自身の専門性と他職種の専門性を認識したうえで、統合して支援していく必要があります。

クライアントの皆さまにとって、Well-beingを共に創造していく一番身近なパートナーとしての看護師であり続けるために、クライアントの皆さまや他職種との丁寧な対話を重ねながら、看護部は日々精進して参りたいと思います。 

看護部 秋山 紘子