当法人での服薬相談の意義

2020.04.01

皆さんこんにちは。今回のコラムは薬剤部が担当していきたいと思います。今回のテーマは、服薬相談です。

服薬相談という言葉は、聞きなれてそうで聞きなれていないような言葉だと思います。皆さんが聞きなれているのは服薬指導という言葉だと思います。服薬指導とは、クライアントに対して処方薬の薬効や副作用などの説明を行うことと定義づけられていて薬剤師からクライアントへの一方向性のイメージが強いです。当法人はあえて服薬相談としています。相談としている意味は薬剤師の役割は何かというところにあります。

薬剤師の役割は義足師に近いものがあります。義足師は個々にあったオーダメイドの義足を作っています。どのような環境で義足を使用するのか、義足の長さやフィット感はどのようなものなのか、義足が完成したとしてもその後環境などが変われば再度微調整が必要だったりします。薬剤師の役割も同じだと考えます。クライアントが薬を納得してかつ安心して服用できるためにクライアントに合っている薬剤や剤型がないのか、薬剤の微調整が必要ないのかなどクライアントと相談しながらwell being(より良い人生)を目指していくことが重要と考えています。精神科医療でSDMという考え方があります。SDMとは治療者と患者が情報共有しお互いが納得して一緒に治療方針や薬剤を決定していくことです。治療の中心はクライアントです。治療するにあたって不安や心配になることは多々あると思います。特に薬は良い効果だけではありません。副作用もあります。クライアントにとって効果が実感でき副作用を最低限にしていく方法を当法人の薬剤師とクライアントが一緒に悩みながら最適な薬物療法を目指していく一つの手段が服薬相談だと思っていただけたらと思います。服薬相談は現在デイケアに通所されている方に月曜~土曜まで午前・午後と服薬相談の時間を設けていますので、興味がある方は是非相談下さい。

薬剤部 國岡 博孝