心療部のご紹介

2020.10.01

チーム医療をさらに深化させるため、この度、医師と心理士からなる部門「心療部」ができました。“しんりょう”と聞くと医療従事者が患者を診察し、治療によって症状や困りごとを軽減したり、取り除いたりする“診療”をイメージする方が多いのではないでしょうか。今回のコラムでは、皆様がイメージするような“診療部”ではなく「心療部」とした理由と、その役割と機能についてご紹介します。

 

私達は、症状や困りごとを軽減させることだけでなく、皆様1人ひとりのwell beingの達成をお手伝いすることを目指しています。

 

とはいえ、well being=よりよく生きることの達成は、誰にとっても簡単なものではないと思います。well-beingの達成への1番の近道は、「~したい」「~でありたい」という各々の欲求を大切にすることです。しかし、日々の生活の中で、「~したい」「~でありたい」という気持ちを大切にできなくなったり、見失ってしまったり、持つこと自体を諦めてしまったりすることが生じることがあります。そういった心の状態からの回復、進展を支えるものの1つが心を癒すことにあります。

 

心を癒す、これがチーム医療の中で医師と心理士の担う役割です。「癒す」には、「病気や傷を治す」「苦しみや悲しみ」をなくすという意味があります。誰しも日々の生活の中で、心に傷を負ったり、心を痛めたりすることがあると思います。気づかないうちに自らの心を苦しめていることだってあるかもしれません。私たちは、そういった状態の心を和らげ、豊かで生き生きとした心の状態をクライエントと一緒に作り上げていくことを目指します。だからこそ、診療部ではなく「心療部」なのであり、心療部の担う役割は、おひとりおひとりの心と向き合うことを通して機能します。

 

その中で、心理士の皆様(皆様の心)との向き合い方には、主に精神分析的精神療法、よろず相談、心理検査の3つがあります。それぞれがどのようなものかについては、日吉病院のHPに詳細を記載したページがありますのでそちらをご参照ください。

 

「心療部」では、皆様1人ひとりにとってのwell-beingがどのようなものであるかを一緒に探り、その達成向けたプロセスを皆様と誠実に向き合いつつ、ともに歩んでいければと考えております。

 

臨床心理士 横澤