空気を読むのに疲れたり、承認欲求が気になるあなたに ― セルフエスティームCBT(認知行動療法)について ―

2019.05.21

近年、「自尊心」、「承認欲求」などの言葉がよく聞かれます。その一方で、人間関係の中で「空気を読む」という言葉もさかんに聞きます 。

これらのキーワードから感じられるのは、「嫌われないよう空気を読みながら行動し、それにより承認欲求を満たし、自尊心を傷つけないようにして、さらに自尊心を高めたい」というアクロバティックな生き方を現代人は必要と考えているようです。人間は集団で生活する生き物なのである程度しかたがないのかもしれません。

しかし、より踏み込んで考えてみると、「人から好かれている自分」、「人から凄いと思われている自分」でなければならない。「情けない自分」、「嫌いな自分」、「価値を感じられない自分」は認めたくない、なんなら隠しておきたい、場合によっては感じたくも無いという自尊心のあり方が浮かび上がります。

このような自尊心で生きていくと、自分を二の次にして他者に過剰な配慮をして疲れきったり、その一方で傲慢に見える人になって他者から距離を取られて傷ついたりといった事があるかもしれません。また、価値が感じられない自分を知られたくないので、他者に対して不安や怯えが生じ、ますます人間関係に困難が生じるかもしれません。

ですが、そのような生き方で本当に自尊心が高められるのでしょうか?そのような自尊心が「自尊心」と言えるものなのでしょうか?もっと生き易い、自尊心のあり方があります。

当院のデイケアではセルフエスティームCBTを行っています。自分の自尊心の在り方を知り、自分と他者を共に尊重して生きるとはどういうことなのかの第一歩をグループで探求していきます。御興味のある方は、主治医や当院メディカルサポートセンタースタッフにお問い合わせ下さい。他院に通院されている方も御利用いただけます。