融合・調和・協働(栄養課)

2021.11.01

さわやかな秋風が吹き抜ける季節となりましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。 
今回は当院の栄養課業務と他職種との繋がりについてご紹介したいと思います。 

栄養課では、主に個別栄養相談や集団プログラムを行っています。 

集団プログラムでは、ヘルシーで簡単なおやつ・お惣菜作りや、毎月違うテーマ(ダイエット、時間栄養学、減塩等)での講義、ストレッチやヨガなどの運動も取り入れています。 

個別栄養相談では、教科書の知識をお話しするだけの一方的な指導ではなく、クライアントの生活背景や住環境、経済的な面等、幅広く考慮して、食事や運動の提案をさせていただきます。その際、長年の食生活を変えることは容易ではないため、クライアント自身が「これならできそう」、「取り組んでみたい」という気持ちを引き出すことができるようにお話しする事を心がけています。クライアントの主体性を尊重し、クライアントと共に長期的にWell-beingを高めていけるようサポートしていきます。 

こうした取り組みの中では、多職種と協同して多角的にサポートさせていただくことも多々あります。例えば「便秘で悩んでいる方で、長期間下剤を服用していたが、食生活全般が整ってきたので下剤を減らすのはどうか」といった提案を医師や薬剤師にすることもあります。その提案を受けて医師や薬剤部的視点から減薬など検討していただきます。また、訪問看護で看護師が、クライアントの自宅で実際の料理風景を見学させていただいた後、その情報を基に、管理栄養士がその方にあったレシピや調理のコツなどをお伝えするといったこともあります。 

このように、栄養課の視点だけではなく、医師や薬剤師、看護師、心理士、精神保健福祉士、作業療法士など多職種の視点を融合する事で、クライアントのWell-beingの高まりが実現しやすくなると考えております。今後さらに、多職種との調和を図り、1人1人個別性を大切にしながらサポートさせていただきたいです。 

医食同源(医薬同源)という言葉がある通り、医療と食事は切っても切り離せないものです。食事は私たちの身体を作る土台となるものなので、土台を整えてこそ医療(治療)が適切に効果を発揮すると考えています。しかし、普段誰もが当たり前に行っている食事であるからこそ、改めて見直す機会は少ないのではないでしょうか。今回のコラムを読んでいただき、少しでも食事を考えるきっかけになっていただけましたら幸いです。