こんなことを皆さんとしてみたいです(看護部)

2022.11.01

7月より『看護外来』を開始しました。
生活の質向上を目指して、クライエントの皆さまと一緒にテーマを見つけて取り組んでいます。他部門のスタッフからの依頼や紹介をもとに始めさせていただいているので、まだまだ小規模で進めています。ご自分の好きなこと、楽しいことを見つけ、生活への取り入れ方を試行錯誤している方もいらっしゃれば、健康面を含めていろいろなバランス調整に苦労している方もいらっしゃり、一緒に楽しんだり悩んだりしながら、well-beingを目指してより健康的で豊かにご自分らしい生活をするには?を日々考えております。

皆さまのお話を伺いながら、私自身の生活の質の向上についても考える機会が増えました。楽器演奏をされている方のお話を伺い、アコーディオンの哀愁のある音色に魅力を感じて習いたいと思っていたことを思い出し、再び教室を探そうかなと思い始めているところです。また、絵画鑑賞が好きな方とお話してからは、以前見に行った美術展で集めた絵葉書があったことを思い出し、面談室に飾ることにしました。さらにはおいしい食べ物を話題にされる方も多く、大好きなパンの話やお勧めのスイーツを紹介してくださることもあり、私自身の生活も楽しく豊かになっているなあと感じております(食べ過ぎてしまうこともまた一緒に悩んで試行錯誤しています!)。看護外来にご興味のある方は、お近くのスタッフにお声かけいただくか、看護部ステーションまでお声かけいただければと思います。 

看護外来を含め、LRB(Life Resilience Building)訪問看護、保健室など、「生活」を軸に多様な側面でクライエントの皆さまと関わることができる…これが看護部の良さであると実感しています。看護は「個」に関わる機会が多く、それぞれの方といろいろな話をさせていただいていますが、「個」だけでなく、もう少し皆さまと何か一緒にできたらいいなと思っていました。そんな折に以前にアイデアをメモしておいたものを見返す機会があり、思い出すことができました。

それは「お菓子作り」です。デイケアのプログラムや栄養相談など、それぞれの方の課題や目的に沿って健康面に配慮した食生活については十分触れる機会はあると思いますが、そういった「ヘルシー」「カロリーオフ」「栄養バランス」「体重管理」などを気にせず(管理栄養士の方々、すみません!)、ただひたすらに「みんなで一緒に楽しむ」ことを目指して集まった仲間と作りたいお菓子を作って一緒に食べることをしてみたいと思っています。私は「さつまいも」「栗」「かぼちゃ」といった秋ならではのスイーツが苦手でしたが、あるクライエントの方からモンブランを勧められて食べたら、これが案外おいしくて、今まで敬遠していたことが少しもったいなく感じました。早速お礼をお伝えし、おいしさを分かち合った次第です。別の方からは某有名カフェの紫いもスイーツ(冷たいものです)をお勧めされていますので、これもまたチャレンジしてみたいと思っています。
きっと楽しい発見があり、その方に感想をお伝えせずにはいられなくなると予想しています。

お菓子は健康に不可欠な食品ではありませんが、人と人とをつないで幸福にする不思議な力があると思いました。さらに「一緒に作る」という体験の共有は、孤立を防いで人と人との結びつきを強めます。先ほどのモンブランやさつまいもスイーツのように、個々に体験したことを共有することも良いのですが、時と体験を共有すること以上に結びつきを強めるものはないと思っています。ぜひ実現して、これまで以上に身近な存在として、看護師の役割である「調和を取りながらクライエントの生きる力をサポートするパートナー」になっていけたらと思っております。 

看護部 秋山 紘子