「楽しむ」(院長)
今年は、本当に暑い夏でした。以前なら、熱帯夜になりますなどニュースでよく言っていたのが、もはや当たり前になってそんな事も触れられなくなりました。
昔は30度超えて暑いなって言われていたのに。
この度、日吉診療所の移転日や具体的な場所もお知らせできるようになりました。場所は元住吉ですが、「日吉」心療所のままです。クライアントにも「元住吉」なのに「日吉」ですかと聞かれることも時々あります。
「日吉心療所」というリハビリ医療施設であって、地名を指す「日吉」は象徴的な意味なのだろうと思います。
昭和30年代に初代院長がこの地、日吉で創めた、医療理念「よく生きる」の精神を場所が変わっても引き継いでいくということのメッセージとなります。
昭和30年代当時、都心から遠くない場所で駅から歩いていける精神科病院はめずらしいものでした。しかも全開放病棟というのはかなり先進的なものでした(当時の精神科病院は郊外のアクセスの悪い場所にあって行動制限される閉鎖病棟中心の病院がスタンダードでした)。そこからさらに当法人は進み、入院病棟を廃止し、地域での関わり、リハビリを中心にしていく流れから、今回元住吉に移転することになります。
移転、引っ越しというと一般的には、ストレスの上位に入ったりもします。しかしながら、初代から続く法人の理念からするとやっと本来目指していた場所で医療、リハビリが行えると言えるのではないかと思います。
初代は人里離れた場所ではなく、クライアントのため社会を感じられる場所で医療をしたかった。それがようやく、本当に身近な場所で実現できるようになったと思います。
精神科医療を行う特殊な場所ではなく、街の当たり前の場所となれる機会がようやく訪れたのだと思います。初代から続く、法人が「楽しみ」にしていたことが一つ実現していくことになるでしょう。皆さんも楽しみにしていてください。
日吉心療所 院長 伊川 太郎