【こころの病気】うつ病について

2013.09.14

 うつ病は、「こころの風邪」と表現されることがありますが、風邪と同じように扱うことはできません。ストレスの強い環境、不摂生な生活習慣で、風邪をひくということは、どんな人でも経験があると思います。うつ病も同じようにストレスや不摂生は禁物です。しかし、こころの風邪の表現は、誰でもかかりうる可能性があることを意味しているもので、うつ病は病状の見通しを考えても、時間が経てば、放っておけば治るというものではありません。
 うつ病の生涯有病率(一生の間に一度はうつ病になる割合)は7.5%、15人に1人の割合であり、決して珍しい病気ではありません。発症にはストレスや様々なライフイベントが関わっていると言われています。
 また、症状が残存していたり、再発を繰り返していたりすると、より再発しやすくなり、重症度が増すことが問題となります。そのためには早い段階からの治療と、症状安定後の再発予防が重要です。
 病気の正しい理解に加え、抗うつ薬を中心とした薬物療法、認知行動療法に始まる精神療法、生活環境の調整、復学や復職へのサポートなどの心理社会面を含めた総合的なアプローチが、うつ病治療には欠かせないものとなっています。うつ病の症状や、様々な治療法について次回以降お伝えします。