【こころの病気】うつ病の症状

2013.10.24

 日常生活におけるストレスや様々なライフイベントにより、気分が落ち込んだり、憂うつになったりすることは、誰でもあると思います。それでは、この落ち込みが、すべてうつ病なのでしょうか。うつ病と判断するためには、下記に挙げる様々な精神症状、身体症状に加え、その持続期間、一日の中での変動(朝に症状が強く夕方から夜にかけて軽快)や、ストレスから解放された時の回復の様子、また、生活環境、性格、身体的な問題等、多方面にわたる情報が必要です。
 症状が軽いからといって、我慢や無理を強いることは禁物です。症状が遷延し、重症化する恐れがあります。症状の重症度に関わらず、早い段階での治療的介入が必要です。
 うつ病は回復する病気です。正しい病気の理解のなかで、焦らず、ゆっくりと治療をすることが大切です。

 「うつ病の症状」は「精神症状」と「身体症状」に分けられます。「精神症状」は更に「感情」「意欲・行動」「思考」の障害に分けると理解しやすいと考えます。

◇精神症状(感情の障害)
 気分が落ち込む、憂うつ、周囲のことに興味がなくなる、悲しい気持ちになる、不安や焦り、イライラ、自己評価が低い、自分を責める、死にたい気持ちになる、など
◇精神症状(意欲・行動の障害)
 意欲がない、おっくう、物事が手につかない、集中力がなくなる、話しかけても応答がない、閉じこもる、自殺を試みようとする、など
◇精神症状(思考の障害)
 考えが浮かばない、考えが止まってしまう、罪を犯した、失敗は自分のせいだと考える、お金がない、家族が路頭に迷う、自分は重病にかかっている、など
◇身体症状
 睡眠障害(寝つきが悪い、眠りが浅い、朝早く目覚める、まれに過眠)、疲労・倦怠感、食欲低下(まれに食欲亢進)、体重減少、口の渇き、発汗、便秘・下痢、めまい、頭痛・頭重感、肩こり、腰痛、性欲減退、月経不順、など
 ※身体症状があり身体的な検査をしても異常がない場合、うつ病が隠れている可能性があり注意が必要です。