【家族教室】第3回「自立と社会復帰について」

2015.12.28

 統合失調症の経過において、症状が軽くなったらすぐに日常生活に戻るのではなく、精神的にも肉体的にも自分らしさを取り戻すためのリハビリ期を経るのが一般的です。そのリハビリ期に掲げられる大きなテーマとして『自立』があります。社会復帰に向けて取り組む段階で『自立』を目指すプロセスが重要となります。

 ここで、『自立』というと皆さんはどのような状態をイメージしますか?身の回りのことが自分でできることでしょうか。仕事をし、収入を得られることでしょうか。『自立』という言葉自体には、「経済的自立」「社会的自立」「生活自立」そして「精神的自立」が含まれていますが、言葉の理解はあったとしても、私たち専門職も同様に、周囲はつい、自分たちのイメージを患者さんに求めてしまいがちです。

 そのような反省をもとに日吉病院、統合失調症家族教室の第3回目では、患者さんの『自立』を1番身近で応援するご家族が、どのようなスタンスで見守ることが大切なのかを、グループワークの時間を設け、一緒に考えていきます。また、『自立』を目指す過程で、社会資源をどのような視点で活用していくのがより効果的かという点にも触れていきます。「こんなに心配しているのに、いつも喧嘩になってしまう…」「本人がどんなことを考えているのかわからない…」など、ご家族が日々直面する迷いを通して、共に学び、そして患者さんが自ら本来持っている力を活かし、発揮することができるようなエンパワーメントという考え方を相談し合える場になればと考えています。

 家族教室にご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ日吉病院相談室までお気軽にお声かけください。日吉病院では、共に学び合えるご家族の皆様をお待ちしております。