融合・調和・協働(心療部)

2021.06.01

今月のスタッフコラムは、融合・調和・協働について心療部の視点からお伝えしたいと思います。 
皆様は今、日々の暮らしや自分自身へ、充実感や満足感を持てていますか? 

日々の暮らしが充実している、自分のあり方に満足しているということは、“~したい”“~でありたい”というご自分の欲求が実現する方向に向かっている、実現されつつあるということ、ご自分の精神内界の融合がなされている状態、各々を取り巻く社会(環境)との調和がとれている状態、と考えられます。つまり、充実感や満足感のある日々を送る(よりよく生きる=Well Beingの達成)のポイントの1つは、“~したい”“~でありたい”というご自分の欲求を大切にすることです。 

当たり前のことですが、私たちの暮らしは、地域をはじめとする社会の中で展開されています。他者との交流をはじめ、日々の生活を円滑に送っていく上では多様なルールや制約がついて回ります。つまり、“~したい”“~でありたい”という欲求を大切にしつつも、この“~しなければならない”という公私にわたる制約やルール、限界とのバランスを取ることが、充実感や満足感のある日々を送る(よりよく生きる=Well Beingの達成)には欠かせません。 

この2つのバランスが崩れた時、しばしば“~したい”“~でありたい”という欲求は見失ったり、生じにくくなったり、ないがしろにされたり、ということが起こります。心療部は医師、心理士がそれぞれの立場から皆様の心に向かい合い、様々な要因によって見えづらくなっている“~したい”“~でありたい”という欲求を探し、おひとりおひとりの中でのバランス(“~しなければならない”と“~したい”が融合した状態)を取り戻すお手伝いをいたします。
その一方、先ほどもお伝えしたように、よりよく生きる=Well Beingは、“~したい”“~でありたい”という欲求と環境とが調和していることにより達成されます。そこで必要になるのが、他部署との協働です。心療部は、生物学的な健康を担当する部署、環境との調和を担当する部署をはじめとする他の5部門と協働しながら、心を見つめ直すことを通して、おひとりおひとりの“~したい”“~でありたい”という欲求の探求、欲求と公私にわたる多様なルールや制約とのバランスのあり方の模索を皆様とともに続けていければと考えています。 

臨床心理師 横澤 希美