病棟CBT・SSTプログラム

2020.06.01

今回のスタッフコラムでは、病棟におけるSST・CBTプログラムについてお話したいと思います。
SSTとは、Social Skills Trainingの略称で、日本語では社会生活技能訓練と言います。社会生活における様々な場面で、自分も相手も尊重しながら上手にコミュニケーションがとれるように練習します。実際の対人場面を想定し、対処法を参加メンバーで考え、ロールプレイを実施しています。
CBTとは、Cognitive Behavioral Therapyの略称で、日本語に翻訳すると認知行動療法です。日々の行動や思考を振り返り働きかけることで、気持ちを楽にし、ストレスに上手に対応できるように訓練していきます。
現在病棟では水曜日と金曜日にSST・CBTプログラムを行っています。また、今年の3月から月に2回日曜日にも実施しています。今後、プログラムを実施できる日を増やしていく予定です。
病棟でのSST・CBTプログラムの特徴として、看護師が主体となって実施していることが挙げられます。日吉病院の看護師は全員SSTの研修を受講しており、研修で学んだことを病棟プログラムで実践しています。看護師がプログラムを行うことにより、患者さんとの関係が深まり、治療していくうえでプラスに働きます。普段の病棟生活では見えなかった患者さんの一面がプログラム中に見えることがあり、それは長所・強みとして活かせる場合がほとんどです。プログラム中に自分の長所を実感できれば、病棟生活や退院後の生活でもそれを自信にできます。長所を意識して伸ばしていくこともできます。コミュニケーション能力に自信が持てず思ったことを上手に表現できないと感じていた人が、SSTのロールプレイを通じて「思っていたよりもうまく話すことができる」自分に気づき、それをきっかけとして家族や医療スタッフとより良好な関係を構築していくこともあります。

CBTプログラムでは演習を通して自分の考え方のクセを知ることができます。クセを認識できると、自分の考えに固執することが減り、強い感情にとらわれることも減ります。病棟のCBTでは日々の出来事をワークに取り上げる人も多く、ワークを発表しフィードバックを受け、気づかなかった考え方に気づくことがよくあります。また、自分にとってタイムリーな出来事でワークすることにより、もやもやした気持ちを引きずらずに病棟生活を送ることができます。

SST・CBTを学び、スキルを身につけることは今後の人生にとって必ずプラスになります。SST・CBTを入院中に学ぶことができてよかった、入院した病院が日吉病院でよかったと一人でも多くのひとに思っていただけるように病棟スタッフも日々精進していますので、入院の際には不安なく病棟へ来ていただければと思います。

看護師 菅田 祐輔