スタッフコラム(院長)

2026.02.01

2月は寒さや日照時間の短さに加え、年度末を意識し始める時期でもあり、心身の疲れが表に出やすい季節です。この時期、「眠れない」「朝起きるのがつらい」「生活のリズムが乱れている」といった相談が増えてきます。

睡眠の乱れは、心の調子が少し崩れているサインとして現れることがあります。眠れない状態が続くと、気分の落ち込みや不安が強くなり、「このまま仕事に戻れるのだろうか」「社会とのつながりが遠くなってしまったのではないか」と感じる方も少なくありません。

回復期にある方ほど、人に会うことや外に出ることが負担に感じられ、家にいる時間が長くなりがちです。しかし、人との関わりや日常の中での小さな役割は、心の回復を支える大切な要素でもあります。近所を少し散歩する、顔なじみの店で買い物をする、何気ないあいさつを交わすなど、そうした地域やコミュニティとのゆるやかなつながりが、生活リズムや安心感を取り戻す助けになることがあるかもしれません。

リワークやデイケアは、訓練や復職のためだけの場ではなく、人と関わりながら生活の感覚や社会との距離を少しずつ取り戻していく場です。人との繋がりを感じながら、体調や気持ちに合わせて少しずつ進んでいくのだと思います。

眠れない日が続き、外出する気力が湧かず、復職や社会復帰のことを考えると不安が強くなるようなときには、治療だけでなく、回復の過程そのものをどう支えていくかを一緒に考えることが大切です。一人で抱え込まず、今の状態に合った歩み方を探していくことが、回復への一歩になります。

寒さの厳しい2月は、心も縮こまりやすい時期です。焦らず、地域や人とのつながりも含めて、今の自分に合った回復の形を大切にしていきましょう。気になる症状が続く場合は、どうぞ無理をせずご相談ください。

日吉心療所 院長 伊川太郎